羽毛布団の快適さは側生地が決め手になる

羽毛布団の快適さは側生地が決め手になる

羽毛布団は側生地で寝心地が決まる

羽毛布団を選ぶとき、多くの方がダウンの品質やダウンパワー、産地表示に注目されます。しかし、羽毛そのものの品質だけでは本来の性能を十分に発揮することはできません。

羽毛布団の仕上がりや寝心地に大きな影響を与えているのが「側生地(がわきじ)」です。側生地は羽毛を包むだけでなく、吸湿性・通気性・保温性・肌触り・フィット感・軽さなど、快眠に直結する重要な役割を持っています。素材や織り方が変われば、同じ羽毛でも寝心地はまったく違う掛け布団になります。 ここでは、当店で取り扱いが多い生地について特徴を解説いたします。

側生地が担う重要な機能

羽毛布団の側生地は、見た目以上に多くの役割を果たしています。

1. 羽毛の吹き出しを防ぐ

羽毛は繊細で、繊維の間から抜け出しやすい素材です。一般的な羽毛布団の側生地は高密度に織られ、羽毛が飛び出さないようダウンプルーフ加工がしてあります。特に高級側生地は、繊維のすき間が小さく、生地そのものがしなやかに仕上がるため、羽毛の魅力を引き出しやすくなっています。

2. 吸湿性と通気性で睡眠環境を整える

羽毛布団は睡眠中に生じる湿気を上手に処理することが快適さのポイントです。側生地に吸湿性や通気性があると、湿気がこもりにくく、蒸れを感じず朝まで快適に眠ることができます。

3. 羽毛の保温性を引き出す

羽毛は含んだ空気を温めて保温します。側生地が硬すぎると羽毛を押しつぶしてしまい、ふくらみが損なわれます。しなやかな側生地で羽毛を自然に支えることで、暖かさを最大限に発揮できます。

4. 肌触りや寝返り音を決める

寝返りの際のサラサラ、カサカサといった音、肌に触れた瞬間の感触、布団のなじみ具合は側生地の素材と織りの差が大きく影響します。触感が好みに合っているかどうかは、羽毛布団選びで見逃せないポイントです。

5. 重さやフィット感を左右

羽毛布団は中身の羽毛が同じでも、側生地が変わると軽さ・体へのフィット・好みの掛け心地が変わります。軽い生地ほど羽毛がよく膨らみ、ふんわり包み込まれるような寝心地を楽しめます。

 

■ 綿100%の側生地

羽毛布団の側生地として、綿100%は日本では非常に多く採用されている素材です。吸湿性が高く、湿度の高い日本の気候に向いており、汗を吸って外へ逃がしてくれるため蒸れにくいというメリットがあります。また肌への刺激が少なく、寝具として安心感がある点も支持されてきました。

綿100%側生地は糸の細さ(番手)や織り方によって質感が変わります。ここでは羽毛布団の側生地として利用される代表的な生地を紹介します。

◆ 230本ブロード(平織り)

もっともベーシックな羽毛布団の側生地で、耐久性があり、しっかりしたハリが特徴です。

特徴

羽毛が出にくい高密度

扱いやすく破れにくい

価格が抑えやすい

ただし平織りは糸の交差が多いため、生地がやや硬くなり、寝返り時にカサカサと音が気になる場合があります。それでも家族用・来客用など日常使いとして安心できる素材です。

◆ 超長綿サテン(60~120番手)

超長綿をサテン織りに仕立てた高級羽毛布団の側生地です。糸が細く、光沢があり、柔らかくしなやかなのが特徴です。

特徴

肌触りが非常になめらか

静かで寝返り音が小さい

羽毛のふくらみを引き出しやすい

高級羽毛布団に採用される主流素材

掛けた瞬間に肌へ吸い付くようなフィット感があり、布団全体が軽く感じられるため満足度の高い選択肢です。

■ 綿+ポリエステル混紡

羽毛布団の側生地として近年増えているのが、綿にポリエステルを混ぜた混紡生地です。たとえば綿70%+ポリエステル30%といった配合が一般的で、綿100%と比べて軽く、丈夫で扱いやすいという特徴があります。

メリット

軽い羽毛布団に仕上がりやすい

摩耗に強くヨレにくい

シワになりにくい

洗濯後に乾きやすい

扱いやすさと価格のバランスが良く、子ども用や日常使いの羽毛布団として人気が高まっています。

 

自分に合う羽毛布団の側生地を選ぶには

側生地は羽毛布団の性格を決める重要なポイントです。どれを選ぶべきか迷ったときは、自分が何を快適さの基準にしているかで考えると選びやすくなります。

肌触りの良さ・蒸れにくさ
 → 綿100%、特に超長綿サテン

軽さ・扱いやすさ・洗いやすさ
 → 綿+ポリエステル混紡

音が気になる
 → サテンなど柔らかい側生地

価格重視
 → 230本ブロード

「寝ているときに何がストレスになるか」が判断の基準になります。

 

羽毛布団は側生地で満足度が変わる

羽毛布団は羽毛そのものが同じでも、側生地によって寝心地は大きく変わります。

蒸れにくさ

肌触り

暖かさ

フィット感

使い続けたときの耐久性

これらはすべて側生地が支えています。羽毛布団を選ぶときはダウンパワーだけでなく、側生地にもぜひ注目して、自分にとって快適で、長く使える一枚を見つけてください。

 

この記事を書いた人

寝具業界5年以上。ネットショップ運営担当です。妻と子供2人の4人家族。寝具・睡眠に関する情報を発信していきます。インスタぼちぼち更新中。

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