寝具の歴史

寝具の歴史

私たちが毎日当たり前のように使っている布団。「布団」とは、座禅のときなどに使われる、蒲の葉で編まれた円形の敷物ということから「蒲団」とも表しますが、いつ頃から使われているかご存じですか?

寝具はいつから使っている?

世界的に見ると、ベッドを使い始めたのは古代エジプト文明。ベッドと言っても、現在のベッドの原型となる形ではありますがヘッドボードは使われていませんでした。もちろんマットレスもなく、木製のベッドの上に藁や動物の毛皮を敷いて使っていたと言われています。ですがベッドを使って寝ていたのは王族で、庶民は虫よけのため殺虫成分を含む植物の葉を取り、寝床に敷いていたといわれています。羽毛布団で最も古いのは1200年前に北欧で使われていたものですが、こちらも贅沢品であるため当時は富裕層のみが使っていたそうです。

日本の寝具の歴史

では日本の寝具の歴史はどのようになっているのか時代ごとにご紹介します。

掛布団・敷布団の歴史

縄文時代~弥生時代

この時代は竪穴式住居で生活していたため、害虫や毒蛇を寄せ付けないようにと「むしろ」や「ござ」と呼ばれる稲や藁を編んだ簡易的なものを床に敷き、布団として使われていたのが寝具の始まりです。今でいう「ござ」と形状は大きく変わりはありません。弥生時代の竪穴式住居では丸太などを使用してベッドのようなものを作って使用していたようです。掛布団は、「フスマ」と呼ばれる着物型の布団のようなものや服をかけて寝ていたそうです。

奈良時代

日本に初めてベッドが伝わったのがこの奈良時代で、日本最古のベッドです。中国から伝わったもので、「御床(ごしょう)」と呼ばれるものです。木で作られたベッド(寝台)でその上にゴザのような敷物を敷き、1枚では薄い為何枚も重ねて寝ていたようです。貴族や僧侶など上流階級の方々が使っていましたが、庶民はまだむしろやゴザを使用していました。日本の特徴でもある畳はこの頃から作られ始めました。

平安時代

平安時代になると畳文化が広がり、畳を何枚も重ねた八重畳が出回り始めます。この頃から貴族の邸宅に寝殿造りの建物が建てられていきます。家族の居住スペース「寝殿」に帳台といわれるロールスクリーンのように四方向を布で仕切られた空間があり、そこに畳が敷かれ寝床として使われるようになります。いわゆる天蓋付きベッドのような状態です。畳はゴザのような敷物ですが、その畳を敷布団として使い、何枚も重ねて厚みがでるようにしていました。中国から伝わっていた御床は畳文化が進むにつれて姿を消していきました。この時代の頃に北欧では富裕層に羽毛布団が使われ始めていました。

鎌倉~室町時代

建物が寝殿造りから間仕切りの多い書院造りが多くなっていきます。畳文化が進みましたが、身分の高い人たちでもまだ敷布団ではなく畳に直接寝ていたようです。掛布団に関してはあまり変化していませんが、この時代になり日本で木綿の栽培が始まりました。しかし、上手く栽培することが出来ず定着しませんでした。

戦国~江戸時代

戦国時代になると綿が急速に普及し始めます。江戸時代には綿が流通するようになり、今までは羽織っていたものを掛けて寝ていましたが、掛布団として「かいまき布団」を使うようになりました。今の掛布団のように四角い形でなく肩まで覆える着物のような形状です。江戸時代に入っても庶民は畳や床に寝ていたと言われています。

明治~大正時代

綿布団はさらに普及していき、一般庶民に布団が普及し始めたのがこの明治時代頃。 しかし綿は吸湿性に優れている為、布団を床に敷きっぱなしにすると布団に大量のカビが発生してしまうという問題が発生してしまいます。そこで明治後期になり布団のカビ対策として生まれたのが押入れで、それと同時に布団の上げ下ろしも習慣になっていきました。

昭和以降

昭和になってようやく布団が前の時代よりも購入しやすい価格になり、日本も高度成長期に入っていろいろな素材の寝具が使われるようになり今に至ります。羽毛布団もこの時期、昭和初期に日本での製造がはじまり普及しました。

枕の歴史

枕の歴史も簡単に紹介していきます。 日本最古の枕と言われているのが弥生時代の木製の枕と言われています。 奈良時代には草で編んだ枕や弥生時代に丸太を切っただけの木枕だったものが四角に形を削り整えたものも使われるようになりました。平安時代には八重畳の小さい形状のものも枕として使っていたそうです。その後大きく変化したのが江戸時代。髷を結う文化が広まり、武士たちや髪を結う女性の間では髪型が崩れないように首を支える箱枕が使われていました。明治時代には陶器の枕など時代ごとに枕も少しずつ変化はしていますが、今の時代の枕に近い布袋に綿やそば殻を詰めて両端をくくって作られたくくり枕が出始めたのが明治~昭和です。そこから今のような枕が主流になっていきました。

まとめ

今私たちは不自由なく、自分の好みに合った寝具を使うことができています。枕、掛布団、敷パットどの寝具にしても多様化しているので、いろいろな素材の中から快眠できるものを見つけだし、良い睡眠環境を作りましょう。

この記事を書いた人

年に2、3回ですがキャンプします。キャンプ・車中泊でも快適な睡眠を追求中です。

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